
DFT理論 DFT予防法
DFT理論と予防
DFT理論は、歯の内部(象牙細管)を満たす象牙質液の流れが、歯の防御・感覚・再石灰化に深く関与するという考え方です。
健全な状態では、歯髄圧により液体は「内側→外側」(正流)へ流れ、細菌や酸の侵入を物理的に抑えます。酸や乾燥、脱灰が進むと流れが弱まり、条件次第で外側→内側(逆流)が起こり、刺激や細菌成分が歯髄側へ伝わりやすくなります。
この理論はロマリンダ大学のClyde L. Roggenkampらの研究で体系化されました。
DFT理論は「削る前に、流れを守る」発想です。生活習慣の是正により象牙質液の正流を保てれば、知覚過敏・二次う蝕・治療後痛のリスク低減につながります。
また、DFT理論を実践することは、身体全体の健康を維持することとも一致します。

Dentinal Fluid Transport

引用:Dentinal Fluid Transport
DFTの逆流がおきると
- 歯の中にすき間ができる
ばい菌がまた入りやすくなります。 - あとから痛くなることがある
治したのに「かむと痛い」「違和感がある」ことがあります。 - ばい菌が残ったり、増えたりする むし歯が再発しやすくなります。
- もう一度治療が必要になることがある。

食生活(酸・糖)
- 頻回摂取の酸性飲料・間食:表面脱灰→正流低下→逆流リスク増大
- ミネラル・たんぱく質不足:再石灰化材料が不足し、防御低下
砂糖依存症

唾液量・質
- 口呼吸・脱水・ストレス:唾液減少→象牙質液の外向き流れが弱化
- 十分な唾液:緩衝能・Ca/P供給により正流を支援
次亜塩素酸水によるうがい
- 口腔内の細菌量を下げる
- たんぱく分解型洗浄水(バイオフィルムを分解し、歯石の予防をします)

生活リズム・自律神経
- 睡眠不足・慢性ストレス:唾液分泌・血流低下→歯髄圧の維持が困難
- 規則正しい生活:歯髄圧と流体動態の安定に寄与


DFT視点での予防ポイント
- 酸・糖の摂取回数を減らす(間食を避ける)
- 水分補給・鼻呼吸で唾液を保つ
- 低研磨・正しい磨き方で象牙細管を守る
- 十分な睡眠と栄養で歯髄圧を維持
血糖値と食べ方ルール
Ⅴを押すと広がります
1.ベジファースト(最初に食べる:GI対策+唾液促進)
- 葉物:レタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜、春菊、水菜
- きのこ:しめじ、えのき、舞茸、しいたけ
- 海藻:わかめ、もずく、昆布、ひじき
- 低糖野菜:ブロッコリー、カリフラワー、きゅうり、トマト、ピーマン、なす
2.「酸・発酵」は“食事の中で短時間”に(ちびちび禁止)
- 発酵(比較的GI影響が小さめになりやすい)
納豆、味噌、ぬか漬け - 酸(口腔対策):酢の物、レモンはOKだが単独摂取を避けて食事内に
- 避けたい組み合わせ:加糖ヨーグルト、飲むヨーグルト(加糖)、甘い酢飲料、スポドリ(酸+糖で頻回摂取になりやすい)
主食だけ単独で食べない(たんぱく+脂質を同席)
- たんぱく(低GI食事にしやすい):魚(サバ・鮭・イワシ等)、豆腐、枝豆、納豆
- 脂質(適量):オリーブ油、えごま油、アボカド、ナッツ(無塩)
- 例:❌️おにぎり単独 →⭕️おにぎり+味噌汁+海藻
でんぷんの工夫:「冷まして食べる」を選ぶ(レジスタントスターチ)
- 冷やご飯(おにぎり・冷蔵→常温に戻す)
- ポテトサラダ(マヨネーズ適量)、冷ましたじゃがいも
- 冷やしたパスタ(量控えめ+具を増やす)
- 実務:温かい白米を「大盛り」より、少なめ+冷まし気味+具多めに
低GI寄りの主食・置き換えリスト(選びやすい順)
- 雑穀・粒:もち麦、押し麦、玄米、発芽玄米
- 麺:そば(十割〜二八)、全粒粉パスタ(量は控えめ)
- 豆:レンズ豆、ひよこ豆、大豆(チリ・スープに)
- 注意(GI高め):白パン、食パン、菓子パン、うどん、白米、餅、じゃがいも揚げ物
間食(「砂糖で痛みが増す」人向け:低GI・低糖の選択肢)
- しない
- ナッツ(無塩)
- 枝豆、豆腐
ゆっくり・よく噛む(GIピークを下げやすい食べ方)
- 噛む食材を入れる:根菜(量は控えめ)、きのこ、海藻、ナッツ、硬めの野菜
- 目安:一口30回を意識
酸と口腔(DFT・脱灰時間を増やさないための運用)
- 酸性・発酵・コーヒー等の後は水でゆすぐ
- 歯みがきは目安30分後(すぐなら水すすぎ→時間を置く)
- 「ちびちび飲み」をやめ、飲むなら短時間で

食後10–15分歩く(ピークを緩やかに)
- 食後すぐに座り続けない
- 室内でもOK:家の中で歩く、軽い片付け、階段少し


